僕らはとっくに限りなく自由だ、と。

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 家から歩いて三分で海に出る。

 その日の気分で、さんぽ道を決める。

 西の砂丘に咲く花が眩しければそちらへ向かい、東の空に登ったお日様から天使のはしごが降りていればそこを目指す。さらさらと流れる海風と心地よい波音を浴びていると、僕は、限りなく自由だ、と思う。そしてそれは理屈じゃないな、とも。

 理屈じゃないけど、理屈を考えてみる。

 人はみな誰も、とっくに自由なのだ。

 お金がないからイヤな仕事をたくさんしないといけない自分は不自由だ、という人がいるけど、その選択だって自分の自由だ。好きな仕事をして貧しいながらもしあわせになっている人はごまんといる。

 自由でない人は、お金とか環境とかじゃなくて、心が自由でないだけだ。

 僕らは生まれてからずっと、たくさんのルールやモラルに縛られて生きるうちに、心の自由を失う。親や学校や社会が ”あなたのため” という真綿のようにやさしい言葉でがんじがらめにして、無数にある生きる選択の幅を狭めてしまう。

 イヤなことをガマンして歯を食いしばって ”人並みのいい生活” をするのも自由。

 他人の目なんて気にしないで好きなように生きるのも自由。

 とっくに自由なんだって、”気づく” だけ。